NASA、観測衛星「ICESat-2」打ち上げ 氷床の縮小状況など調査
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【9月16日 AFP】米航空宇宙局(NASA)は15日、氷床の縮小状況などを調査し、海面上昇予測を改善することを目的とした地球観測衛星「ICESat-2」を打ち上げた。
ICESat-2は、米カリフォルニア州のバンデンバーグ空軍基地(Vandenberg Air Force Base)から夜明け前の15日午前6時2分(日本時間同日午後10時2分)にデルタ2(Delta II)ロケットで打ち上げられた。同衛星の重量約0.5トンで、費用は約10億ドル(約1100億円)。
NASAは、ほぼ10年ぶりに地球上の氷床の高さを測定する衛星を軌道上に持つことになる。ICESat-2の先代の衛星ICESatは、2003年に打ち上げられ、2009年に任務を終えていた。ICESatは、海氷の厚さが薄くなっていることやグリーンランドと南極大陸の沿岸部を多く氷が消滅しつつあることを明らかにした。
ICESatが任務を終えてからの9年間は、北極と南極大陸上空を飛ぶ航空機から氷の状態の変化を観測する「アイスブリッジ調査(Operation IceBridge)」というミッションが行われていたが、最新技術を使った宇宙からの観測の方が格段に精度が高い。ICESatに搭載されていた観測用レーザーの照射回数は、ICESatが1秒間に40回だったのに対し、ICESat-2は1秒間に1万回。ICESat-2が軌道上を約0.7メートル進むたびに測定が行われる。
NASAによると、グリーンランドや南極大陸の氷の高さの年間の変化を4ミリの精度で推定するのに十分なデータが得られる見通し。測定に用いるレーザー光線は強力だが、地上約500キロの高度から地表の氷を溶かすほど熱くはないという。
ICESat-2のミッションは3年間の予定だが、必要があれば10年間は観測を続けられるだけの燃料を積んでいる。(c)AFP