【9月16日 AFP】女子テニスのセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)が、全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2018)の女子シングルス決勝で受けた処分を「性差別的」と話していることと関連して、米メディアが過去の処分のデータを紹介し、罰金を科された回数は男子選手が女子選手のおよそ3倍に上ることを明らかにした。

 15日の米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)によると、1998年から2018年までの20年間に四大大会(グランドスラム)で罰金が科されたのは、男子が1517回に対して女子が535回だった。

 そのうち、ラケットを壊したことによる罰金が、男子の646回に対して女子が99回。「下品な言葉」によるものが344回と140回、反スポーツマン的行為によるものが287回と67回だった。数の差にはグランドスラムでの男子と女子のセット数の違いも関係しているとみられるが、一方でセレーナが警告を取られたコーチングによる罰金は、女子が152回に対して男子が87回だった。

 大坂なおみ(Naomi Osaka)に敗れた8日の決勝で、セレーナは自身の陣営からのコーチングで1回目、ラケットを壊して2回目の警告を受けた。

 さらにセレーナは、カルロス・ラモス(Carlos Ramos)主審に対して「うそつき」や「盗人」、「もう二度と、死ぬまで私の試合を裁かないで」、「いつ謝ってくれるの?」といった暴言を浴びせ、3回目の警告でゲームを失うと、今度は大会レフェリーに対して「私が女だから1ゲームを奪うっていうの?そんなの間違っている」と抗議を続けた。

 試合後の会見でも、セレーナは差別的との主張を繰り返し、処分に関するダブルスタンダードを非難。「男子選手が審判に注文を付けるシーンをこれまでに見てきた。私は女性の権利と平等のために闘っている。『盗人』と言った私からゲームを奪うのは性差別的だと感じた」、「きょうの審判は『盗人』と言った男子選手を罰したことは一度もない。本当に信じられない」とコメントしていた。

 この問題をめぐっては、多くのセレーナファンが彼女を支持する立場に回っている一方で、ソーシャルメディアを中心にセレーナを非難する声も高まっている。(c)AFP