サマータイム廃止による時差の回避を、EUが加盟国に協調呼び掛け
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【9月15日 AFP】欧州連合(EU)は14日、サマータイム(夏時間)廃止案の発表を受けて、異なる時間帯が混在して混乱を引き起こす事態を回避するため、加盟国に協力を呼び掛けた。
EUの行政執行機関に当たる欧州委員会(European Commission)は、時計の針を春に1時間進め、秋に1時間戻すという長きにわたって続けられてきたサマータイムは無用の混乱を招いているとして廃止を求めている。
EU諸国は今、夏時間か冬時間のどちらかを選択し、固定するよう求められている。サマータイムの廃止で年に2回、時計の針を進めたり戻したりする必要はなくなるが、どちらの時間を選択するか各国の決定が分かれるとベルギーとオランダのように隣接する国々の間でも1時間の時差が生じる恐れがある。
このような事態を避けるため、サマータイム廃止を主導するビオレタ・ブルツ(Violeta Bulc)欧州委員(運輸)は各国政府に時間の選択では他国と協調するよう呼び掛けている。
欧州諸国の多くは第1次世界大戦(World War I)中に電力を節約するためサマータイムを導入した。サマータイムは第2次世界大戦(World War II)中や1970年代の石油危機の際にも推進された。
以来、サマータイムは欧州全域で統一的に採用され、欧州では時計を3月の最終日曜日に1時間進め、10月の最終日曜日に1時間戻してきた。(c)AFP/Damon WAKE