「プッシー・ライオット」メンバー毒盛られた恐れ W杯でピッチ乱入
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【9月14日 AFP】今年7月に行われたサッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)決勝でピッチに乱入したことで注目を集めたロシアのパンクバンド「プッシー・ライオット(Pussy Riot)」は13日、同バンドのメンバーでカナダ人のピョートル・ベルジロフ(Pyotr Verzilov)氏が入院したと明らかにした。毒を盛られた恐れがあるとしている。
同バンドのメンバーでべルジロフさんのパートナーのベロニカ・ニクルシナ(Veronika Nikulshina)さんはラジオ「モスクワのこだま(Echo of Moscow)」に対し、べルジロフさんが11日の法廷尋問のあと病院に搬送されたと述べた。「彼(べルジロフさん)はがだんだん目が見えなくなり…最初は疲労のせいだと言っていたけれど症状は重くなり、話すこともできなくなった」「私のことも分からなくなり、反応しなくなった」。
ニクルシナさんは病院の検査の結果はまだ出ていないが「外部から何らかの干渉があった可能性も排除しない」と語った。
カナダのジャスティン・トルドー(Justin Trudeau)首相は、ロシアの工作員が英国で起こしたとされるロシア人元二重スパイの暗殺未遂事件を念頭に「英国でロシア人が事件を起こしていることを考慮すれば、(べルジロフさんの一件は)明らかに懸念すべきことだ」と述べ、「この一件を深刻に受け止めている」が「何がどのように起こったのかについて結論を急ぐのは早すぎる」と指摘した。
ニクルシナさんによれば、ロシアの独立系ニュースサイト「メディアゾナ(Mediazona)」で勤務しているべルジロフさんは薬物を摂取していないという。メディアゾナはロシアの刑務所制度に焦点を当てて報道している。
ニクルシナさんとべルジロフさんはバンドの他のメンバー2人とともに、7月15日のサッカーW杯決勝でピッチに乱入した罪で15日間の禁錮刑を受けた。ロシア警察による虐待に注目を集めるためだったという。
ロシアのメディアによれば、べルジロフさんが出廷した11日、ニクルシナさんを含めた他のメンバー2人が警察官の指示に従わなかった罪で有罪を言い渡された。ニクルシナさんは禁錮2日を命じられたが、未決勾留日数を算入して釈放された。(c)AFP