シリア軍のイドリブ県攻撃、過激派が世界に拡散する恐れ 仏外相
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【9月12日 AFP】フランスのジャンイブ・ルドリアン(Jean-Yves Le Drian)外相は11日、シリア政府軍が反体制派最後の拠点となっている北西部イドリブ(Idlib)県への攻撃に踏み切れば、大勢の外国人戦闘員がシリア国外に拡散し、欧米の安全を脅かす恐れがあると警鐘を鳴らした。
ルドリアン外相は仏ニュース専門放送局BFMTVに対し、「イドリブ県には、アルカイダ(Al-Qaeda)とダーイシュ(Daesh、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」のアラビア語名の略称)のフランス人戦闘員が合わせて数十人いるとみられている」と述べた上で、シリア政府とその同盟国ロシアがイドリブの反体制派掃討作戦を実行すれば、「ほかの国々からも来ている大勢のテロリストが拡散する恐れ」があり「われわれの安全を脅かす」と述べた。
ルドリアン外相は「このシナリオを防ぐための時間はまだ残されている」として、イドリブ県にいる人々、特に民間人を保護しようとしているトルコへの支持を表明した。
フランスは2015年以降イスラム過激派による攻撃が相次ぎ、欧州でも特に深刻な被害を受けているため、イラクとシリアのISから奪還された地域から帰国してくる過激派を警戒して厳戒態勢を敷いている。
ルドリアン外相はイドリブ県に残っているイスラム過激派は「1万~1万5000人」との見方を示した上で、「シリアの政権がロシアの支援を受けて準備を進めている攻撃は極めて危険だ」と述べた。(c)AFP