南大西洋のクジラ禁漁区案、日本など捕鯨支持国の反対で否決
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【9月12日 AFP】ブラジルで開かれている国際捕鯨委員会(IWC)総会は11日、主に南米諸国が求めている南大西洋にクジラの禁漁区(サンクチュアリ)を設定する案を、日本などの捕鯨支持国の反対によって否決した。この案をめぐっては20年近くにわたって毎年採決が行われており、IWC加盟国間の分裂が深まっている。
採決結果は賛成39か国、反対25か国、棄権数か国だった。IWCの規則で可決には出席国の4分の3の賛成が必要とされていることから否決された。反対票を投じたのは捕鯨支持国の日本や商業捕鯨を行っているアイスランドとノルウェー、ロシアなど。
ブラジルのエジソン・ドゥアルテ(Edson Duarte)環境相は失望をあらわにし、引き続き世界各国に支持を求めていく意向を示した。
総会に出席した環境団体も、採決結果に大きな失望を示した。
日本はIWC総会での決議に必要な賛成国の数について、現行の4分の3から過半数への緩和を求めている。
南大西洋のクジラ禁漁区案は、ブラジル、アルゼンチン、ガボン、南アフリカ、ウルグアイの主導で1998年に初めて話し合われ、2001年以来、毎回採決されている。
IWCは1979年にインド洋、1994年に南極海にそれぞれクジラ禁漁区を設定している。(c)AFP/Denis BARNETT