アフガン出身の若者とけんか、ドイツ人男性死亡 極右の暴動に懸念
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【9月10日 AFP】ドイツ東部の町ケーテン(Koethen)で8日夜、ドイツ人男性(22)がアフガニスタン出身の若者2人と殴り合いのけんかをした後、心臓発作で死亡した。同地では翌9日、極右勢力が呼び掛けた抗議デモにおよそ2500人が集まり、地元当局は外国人排斥感情の高まりによる暴動を警戒し、冷静な対応を人々に呼び掛けている。
地元警察と検察当局によると、死亡した男性はケーテン市内の公園でアフガニスタン人の男2人と口論の末、けんかになった。男性の死因はけんかによる負傷とは「直接の関係はない」という。
報道によれば、男性はかねて心臓の病気を患っており、病院で死亡したという。
検察は、アフガニスタン人2人のうち18歳の男を傷害の容疑で、また、20歳の男を傷害致死の容疑で取り調べている。
ドイツでは2週間前にも、東部ケムニッツ(Chemnitz)で難民申請者とみられる男2人がドイツ人男性を刺殺したとされる事件があったばかり。ケムニッツでは事件後、反移民のスローガンを叫ぶ極右デモが相次ぎ、参加者らがドイツの法律で禁止されているナチス(Nazi)式の敬礼を繰り返したり、見た目が外国人風の人々を襲撃したりした。
ケーテンでも事件がニュースになるや、極右勢力が「追悼行進」を行うと宣言。警察の推計で2500人が参加してデモが行われたが、午後9時(日本時間10日午前4時)ごろ平和的に解散した。
ザクセン・アンハルト(Saxony-Anhalt)州のライナー・ハーゼロフ(Reiner Haseloff)州首相は、「ケーテンを第2のケムニッツにしようとするどんな試みにも抵抗しなければならない」と独DPA通信に語った。
また、ケーテンのベルント・ハウシルト(Bernd Hauschild)市長は「暴力的な人々が大挙してケーテンにやって来ようとしているとの情報」があるとして、地元住民に極右デモを避けるようフェイスブック(Facebook)への投稿を通じて呼び掛けた。
地元メディアによると、事件の発端はアフガニスタン人の男3人が妊娠した女性に誰が子どもの父親か問い詰めたことだったという。そこへドイツ人男性2人が近づき、口論がけんかに発展。けんかに加わらなかったアフガニスタン人の男性1人は身柄を拘束されなかった。(c)AFP/Odd ANDERSEN with Marion PAYET