【9月15日 AFP】ババ・ジョン(Baba John)さん(15)は11歳の時、部族の民兵組織に加わった。組織から逃げ出すはるか前から、自分が殺した人の数を数えるのをやめていた。

「人々を撃った。みんながそうしていた」と、ババ・ジョンさんは言う。「銃を渡され、撃ち方や、狙い方を教えられた。何人撃ったかは覚えていないけど、大勢だったのは確かだ」

 ババ・ジョンさんが殺りくに身を投じるようになったのは、生きるか死ぬかの決断を迫られたことがきっかけだった。コブラ派(Cobra Faction)として知られる南スーダンの武力勢力が、首都ジュバ(Juba)から北に400キロほど離れたピボル(Pibor)近郊にあるババ・ジョンさんの村を襲ったのだった。

 ババ・ジョンさんは襲撃を生き延びたが、次回も運が見方をしてくれるか分からない。そこで、他の多くの人々と同じように民兵組織に加わることを決めた。「人を撃ち、略奪することを強いられた」と、民兵組織で過ごした年月を振り返る。

 ババ・ジョンさんは今、国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)が実施する子どもの兵士に新しい人生のチャンスを提供するプログラムに救いを見出している。だが、今でも子どもたちは、勧誘、強制徴募、あからさまな誘拐などの手段により兵士にされている。

 南スーダンでは5年近く内戦が続いており、ユニセフは、18歳未満の子ども約1万9000人が軍、反政府組織またはさまざまな民兵組織に加わっていると推定している。2015年以降に武装組織から解放された子どもの数は3000人近くに上る。