パナマ大統領、米に主権尊重を要求 大使召還受け
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【9月10日 AFP】中米パナマのフアン・カルロス・バレラ(Juan Carlos Varela)大統領は9日、同国など台湾と断交して中国と国交を樹立した中米3か国に駐在する大使らを本国に召還した米国に対して、パナマの主権を尊重するよう求めた。
米国は7日、最近台湾から中国へと国交を切り替えたエルサルバドルとドミニカ共和国駐在の米大使、パナマ駐在の代理大使を本国に召還した。これに対しバレラ大統領は声明で「われわれは他国の主権に基づく決定を尊重しており、われわれに対しても同様の尊重を常に求める」と述べた。
台湾と断交した3国は、自国の決定は単純な経済的現実を反映したものだと説明している。急速な成長を遂げている大国・中国が、中南米諸国で巨費を投じて港湾や鉄道などの建設事業を進めている現状を踏まえた判断だというわけだ。
台湾と中国は長年、発展途上国で外交関係をめぐる勢力争いを繰り広げており、国交を得る上での切り札として援助や経済支援を使うことが多い。
だが米国は、中国が援助を利用して台湾と西半球の同盟国との仲を引き裂こうとしていると非難している。米中両国は現在、互いの製品に関税をかけ合う貿易戦争の渦中にある。(c)AFP