リビアで人身売買業者が国連職員になりすまし、移民を虐待か
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【9月9日 AFP】国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は8日、リビアで移民や難民を標的にした人身売買業者や不法入国援助業者らがUNHCRの職員になりすましているとの「信頼できる報告」があると明らかにし、こうした不法業者を取り締まる行動を起こすよう求めた。
UNHCRによると、紛争で荒廃したリビアの各地で国連(UN)傘下各機関の関係者のふりをした不法業者たちが暗躍している。こうした「犯罪者」たちはリビアの上陸地点や密入国拠点で目撃されており、UNHCRのロゴにそっくりなマーク入りのベストや物品を使用しているという。
なりすまし不法業者に関する情報源は、リビアで人身売買業者に売り飛ばされ虐待や拷問を受けたと訴える難民たち。中には地中海上で拿捕された船に乗っていた難民らからの訴えもあるという。
だが、UNHCRのババル・バローチ(Babar Baloch)報道官は、国連職員になりすました不法業者らが実際に移民や難民たちをだますことに成功し、彼らを虐待しているかどうかは不明だとAFPに述べ、現在事実を調査中だと付け加えた。バローチ氏は、不法業者らは明らかに「犯罪」の意図を持って疲弊しきった人々を標的としていると指摘し、こうした業者の取り締まりをリビア当局に求めると述べた。
リビアは2011年、長年にわたって独裁体制を敷いてきたムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐が失脚し殺害されたことを機に混乱に陥り、現在はサハラ以南から欧州への密入国を目的とした移民・難民の一大中継地と化している。だが、こうした混乱に乗じて人身売買業者が暗躍し、アフリカから欧州を目指す移民たちは危険な状況にさらされている。(c)AFP