イラン、ロシア、トルコがシリア内戦で協議 溝埋まらず
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【9月8日 AFP】イランの首都テヘランで7日、シリアの反体制派最後の拠点である北西部イドリブ(Idlib)県に対する攻撃をめぐり、イラン、ロシア、トルコの首脳が会談を行った。国際社会が迫りくる人道危機を警告するなか、3者が意見の隔たりを埋めることはできなかった。
記者会見でトルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領はロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領に対して公然と異議を表明。シリア政権が準備するイドリブ県への攻撃は大惨事を招くと警告した。
会談の主催国イランのハッサン・ロウハニ(Hassan Rouhani)大統領も「焦土」作戦に対して警告を発したが、「イドリブでのテロとの闘いは、シリアに平和と安定を取り戻すために避けることのできない任務」と述べた。
ロシアとイランはシリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領の主要な同盟国であり、トルコはイドリブ県内の一部勢力を含め、アサド氏追放を目指す反体制派武装勢力を支援している。
エルドアン氏は各国の報道陣を前に、会談の共同声明に「停戦」の言葉が含まれていないことを批判。それが含まれていれば「このプロセスを強化し、鎮静化」することになっただろうと語った。
これに対しプーチン氏は、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」や国際テロ組織「アルカイダ(Al-Qaeda)」の傘下にあったアルヌスラ戦線(Al-Nusra Front、現シリア征服戦線 Jabhat Fateh al-Sham)などの反体制派武装勢力は、今回の協議に出席して停戦を提案していないと反論。さらに、シリア政府が「すべての領土を最終的に掌握する権利と義務がある」と主張した。(c)AFP/Marc Jourdier and Eric Randolph