【9月7日 AFP】ベルギーの公共放送で気象キャスターを務める黒人女性が6日、自身がテレビ出演するようになってからレイシスト(人種差別主義者)に浴びせられてきた暴言の数々を、涙ながらに非難する動画を投稿し、話題となっている。

 この5分間の動画は、フェイスブック(Facebook)に投稿されるやいなや数分で、50万回以上再生された。

 フランス語公共放送RTBFで気象キャスターを務めているセシル・デュンガ(Cecile Djunga)さんは、人々はベルギーに人種差別が存在すると思っていないが「それは真実ではない」と述べ、だから自分は立ち上がろうと決意したと語った。

 デュンガさんは「『自分の国に帰れ』と言われるのは笑いごとでは済まされない」、「私はベルギー人。私がいるのは私の国だ」と訴えた。

 コメディアンでもあるデュンガさんは、肌の色を理由に暴言を浴びせられてきたが、他にも多くの人々がインターネット上で悪質な攻撃の対象となっていると指摘。「太った人、イスラム教徒、アラブ人、赤毛の人、眼鏡を掛けた人。誰もがソーシャルメディア上で迫害の対象になる可能性がある。こうしたことを止めなければならない。オンラインハラスメントは本当にあなたをむしばむ」と語った。

 RTBFのジャンポール・フィリポ(Jean-Paul Philippot)代表取締役は、デュンガさんへの支持と、デュンガさんがこれまでに受けた暴言に対する憤りを表明した。同氏は「人種差別は犯罪だ。ベルギーでは法律で処罰される」と述べ、法律に従ってデュンガさんに差別発言を浴びせてきた人々の処罰を求めていく意向を示した。(c)AFP