【9月5日 AFP】イスラエル軍当局は4日、隣国シリアで過去18か月間に202回の空爆を実施し、そのほとんどはイランの革命防衛隊を標的にしたものだったと明らかにした。匿名の軍当局者がイスラエルの報道各社が報じた内容を確認し、空爆でミサイルや爆弾およそ800発が使用されたと語った。このような軍事行動についてイスラエル軍が公表することはまれ。

 イスラエルは、シリア内戦でバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権を支援しているイランがシリア国内で軍事的影響力を確立することを防ぐ姿勢を明確にしている。

 イスラエル軍は、イランが支援するレバノンのイスラム教シーア(Shiite)派原理主義組織ヒズボラ(Hezbollah)への武器提供を防ぐため、シリアで数十回の空爆を実行したことは認めていた。その一方で、過去数か月にシリアで行われイラン人が犠牲となった一連の空爆はイスラエルによるものとみられていたものの、イスラエル軍がそれらの空爆を実施したと認めたことはほとんどなかった。

 在英NGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」によると、イスラエル軍は4日、シリアのハマ(Hama)県とタルトス(Tartus)県にあるイランの軍事施設をミサイルで攻撃し、シリア兵3人が死亡、シリア人14人とイラン人9人の計23人が負傷した。国営シリア・アラブ通信(SANA)は、シリアの防空システムがイスラエルの航空機から発射されたミサイル数発を迎撃したと伝えた。(c)AFP