米、シリアが化学兵器使用なら報復辞さず 安保理は7日に会合
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【9月5日 AFP】米ホワイトハウス(White House)は4日、「シリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領が化学兵器を使用すれば迅速かつ適切に対応する」と警告した。アサド政権が反体制派の最後の主要拠点となっている北西部イドリブ(Idlib)県に総攻撃を行う構えを見せるなか、報復攻撃を示唆して牽制(けんせい)した格好だ。
ニッキー・ヘイリー(Nikki Haley)米国連大使は同日、イドリブ県の状況をめぐって国連安全保障理事会(UN Security Council)が7日に会合を開くと発表した。国連(UN)はイドリブ県が「血の海」と化す恐れがあると警鐘を鳴らしている。
アサド政権軍は約300万人が暮らすイドリブ県の近郊に部隊を集結。在英NGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」によると、ロシア軍は4日、同県に対する空爆を再開し、少なくとも民間人9人が死亡した。
反体制派を支援するトルコはイドリブ県攻撃の回避を目指し、ロシアと協議を重ねてきた。ロシア政府はイドリブ県を「テロの孤立地帯」と見なしている。
国連のスタファン・デミストゥラ(Staffan de Mistura)シリア問題担当特使は「イドリブ問題の穏健な解決」ではロシアとトルコが鍵を握っていると指摘した上で、人道危機の回避に向けて両国に支援を求めている。
サラ・サンダース(Sarah Sanders)大統領報道官は4日の声明で、アサド政権軍が化学兵器を使用すれば「既に悲惨な状況にある紛争に拍車をかけ、大勢の命を危険にさらすことになる」とも懸念を示した。
ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領も3日、イドリブ県に「無謀な攻撃」を加えてはならないとアサド政権に警告していた。(c)AFP/Jerome CARTILLIER