【9月4日 AFP】イスラエルのレウベン・リブリン(Reuven Rivlin)大統領は4日、同国を訪問中で、過去に自身をナチス・ドイツ(Nazi)の指導者アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)になぞらえる発言をしたフィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領に対し、ヒトラーに関する短い講釈を行った。

 ドゥテルテ大統領は2016年、自身が進める苛烈な麻薬取り締まりについて語る際、「ヒトラーは300万人のユダヤ人を虐殺した。(フィリピンには)現在300万人の麻薬中毒者がいる。私は喜んで彼らを虐殺する」と豪語していた。

 エルサレムの大統領府でドゥテルテ氏を迎えたリブリン氏は、「ヒトラーは自ら悪魔を体現していた」「ヒトラーこそがこの世の悪魔だった」と訴えた。

 さらにリブリン氏は、ドゥテルテ氏がホロコースト(Holocaust、ユダヤ人大量虐殺)記念館「ヤド・バシェム(Yad Vashem)」を訪問したことに触れ、ヒトラーに関するいかなる発言にも伴うことになる配慮について伝わったはずだと話した。

 リブリン氏の話に注意深く耳を傾けていたように見受けられたドゥテルテ氏は、その後イスラエルとの貿易や協力について話頭を転じた。(c)AFP