【9月4日 AFP】女子テニスの大坂なおみ(Naomi Osaka)は、日本勢として初の四大大会(グランドスラム)制覇を成し遂げることが最優先事項である一方で、友人を1~2人増やすことも喫緊の課題となっている。

 ユニークなキャラクターで知られる20歳の大坂は3日、全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2018)の女子シングルスで準々決勝に進出。この日は錦織圭(Kei Nishikori)も男子シングルスで4回戦を突破しており、日本勢の男女が同じグランドスラムで8強入りを果たすのは、1995年のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)以来の歴史的快挙となった。

 第26シードのアリーナ・サバレンカ(Aryna Sabalenka、ベラルーシ)に6-3、2-6、6-4で勝利を収め、日本人女子としては2004年の浅越しのぶ(Shinobu Asagoe)氏以来の全米オープン8強入りを果たした大坂だが、今度は社会生活が進歩することを望んでいる。

 ハイチ出身の父親が大学に通った米ニューヨークで、友達と一緒に今回の感慨深い勝利を祝うのか聞かれた際、大坂は「友達って?」と答えると、「どうしよう。私には1人しかいない。本当の意味で自分らしくいられるのは、その子だけ。だから、彼女に申し訳ないと思うときがある。それから、もう1人は姉。友達の数には入らないけど」と明かした。

「私はジョークを飛ばすのが好きなんだけど、自分でもよく分からないのは、相手が笑ってくれずに、ただ私が何か失礼な発言をしたみたいにじっと見つめてくるときがあること」

 ここ3年間でグランドスラムの扉をたたき続けている大坂は、全米オープンに過去2回出場し、2016年大会はマディソン・キーズ(Madison Keys、米国)、2017年大会はカイア・カネピ(Kaia Kanepi、エストニア)の前にいずれも3回戦で敗退した。

 今年1月の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2018)では4回戦まで勝ち進み、惜しくもシモナ・ハレプ(Simona Halep、ルーマニア)に屈した大坂は、3月のBNPパリバ・オープン(BNP Paribas Open 2018)でタイトルを獲得したほか、マイアミ・オープン(Miami Open 2018)の初戦ではセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)を破っており、今年は飛躍のシーズンとなっている。

「グランドスラムでプレーするたびに、周囲からは3回戦より先に勝ち進めるか聞かれる。オーストラリアで4回戦に進出したときも、もっと先にいけるのか、それともここまでかと言われた。全米に出場して準々決勝より先にいくことは、ずっと前からの夢だった。だから、その目標に近づけてとにかくうれしい」

 大坂の準々決勝の相手は、世界ランク36位で同じく今大会でキャリア初のグランドスラム8強入りを果たしたレシヤ・ツレンコ(Lesia Tsurenko、ウクライナ)に決定。29歳のツレンコは同日、暑さによる消耗で倒れそうになりながらも、マルケタ・ボンドロウソバ(Marketa Vondrousova、チェコ)を6-7(3-7)、7-5、6-2で下した。(c)AFP/Dave JAMES