ミャンマー領海で見つかった「幽霊船」、正体判明
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【9月2日 AFP】ミャンマー領海で見つかった「幽霊船」について、同国海軍は8月31日夜、バングラデシュの船舶解体工場に向けてえい航されていた「老朽船」と確認できたと発表した。
問題の船は「サム・ラトゥランギPB 1600(Sam Ratulangi PB 1600)」と書かれた無人船で、貨物も積んでいなかった。海岸から11キロ沖合のマルタバン湾(Gulf of Martaban)を漂流していたところを漁師たちが発見した。ミャンマー海軍は、このさび付いた船に兵士を乗り込ませて実地調査を行い、その結果の一部をフェイスブック(Facebook)公式アカウントで公開した。
海軍が沿岸部に配備しているレーダーの記録によって、マルタバン湾に流れ込むヤンゴン(Yangon)川とシッタン(Sittaung)川で8月26日から27日にかけて、2隻の船の動きがあったことが確認された。このデータに基づき領海内でもう一隻の船を捜索したところ、ヤンゴンの沖合約80キロの地点で、インドネシア人の乗組員13人を乗せた船「インディペンデンス号(Independence)」を発見した。
乗組員を問いただしたところ、同船がサム・ラトゥランギをえい航していたことが明らかになった。インディペンデンス号は8月13日にインドネシアの首都ジャカルタを出港し、バングラデシュの船舶解体工場に向かっていたという。海軍の投稿によると、2隻は悪天候に見舞われヤンゴン川の南にたどり着いた。2隻の船を連結していたケーブルが切れたため老朽船が潮に流され、航海の継続が困難となったという。
バングラデシュ南部チッタゴン(Chittagong)県は船舶解体産業が盛んで、航海に耐えられなくなった老朽船がよく運び込まれている。ミャンマー海軍は本件について、引き続き調査中だとしている。(c)AFP