【9月1日 AFP】シリア反体制派が掌握する最後の県、イドリブ(Idlib)に対する政府軍の攻撃が見込まれるなか、同県の反体制派は進攻を妨害するため主要な橋2本を爆破した。在英NGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」が31日明らかにした。

 同監視団のラミ・アブドル・ラフマン(Rami Abdel Rahman)代表によると、橋を爆破したのは、北西部イドリブ県の非過激派組織の主要同盟「国民解放戦線(NLF)」に属するイスラム教徒勢力。

 同代表はAFPに「この2本は地域の主要な橋だが、ほかにも橋はある」と語った。爆破されたのは、ハマ(Hama)県とイドリブ県に広がるガーブ(al-Ghab)平原に位置する橋で、政府による攻撃で最初の目標となる可能性があった。

 政府軍はここ数週間、かつて主要農業地帯だったガーブ平原をはじめ、イドリブ県周辺に兵力を集結させている。

 トルコ政府は31日、同県の広い範囲を支配し、県内で最も有力な武装勢力となっているイスラム過激派組織「ハヤート・タハリール・シャーム(HTS)」を正式に「テロリスト」集団に指定した。

 トルコはバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)シリア大統領の追放を目指す反体制派を支持しており、政権を支持するロシアとの間で数週にわたり集中的な交渉を行っている。

 HTSをテロ集団とする今回の決定が、ロシアの支援を受けた政権軍によるイドリブ攻撃をトルコ政府が認めたことを示している可能性があるかは、まだ明らかになっていない。(c)AFP