【8月31日 AFP】北大西洋条約機構(NATO)は30日、先週末に死去したジョン・マケイン(John McCain)米上院議員の功績をたたえ、ベルギー・ブリュッセルの新本部ビルにマケイン氏の名を冠する提案を検討していることを明らかにした。NATO事務総長経験者3人から提案があったという。

 この提案は、過去にNATO事務総長を務めたアナス・フォー・ラスムセン(Anders Fogh Rasmussen)氏、ジョージ・ロバートソン(George Robertson)氏、ハビエル・ソラナ(Javier Solana)氏が、英紙タイムズ(The Times)への寄稿でNATOに求めたもの。3氏は、マケイン氏の生涯と功績は「NATOや、米国が世界をリードすることでもたらされる恒久的な利益」を象徴しているとして、今年移転したばかりの新本部ビルにマケイン氏の名を冠するべきだと述べている。

 海軍出身でベトナム戦争(Vietnam War)の英雄として知られるマケイン氏は、脳腫瘍(しゅよう)のため25日に死去した。米大統領選に2度出馬した経験を持つ同氏の死去を受け、政界からは党派を超えた追悼の声が挙がっている。

 NATO報道官は声明で、元事務総長3氏の提案を「慎重に検討する」と表明し、イエンス・ストルテンベルグ(Jens Stoltenberg)事務総長もマケイン氏に「とてつもなく大きな尊敬の念」を抱いていると付け加えた。

 ただ、本部ビルの改名には加盟29か国全ての承認が必要で、マケイン氏がドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領と対立してきたことを考えると、米政府がこの提案を歓迎するかどうかは不透明だ。(c)AFP