【8月30日 AFP】(更新)ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は29日、ホワイトハウス(White House)で「中国が北朝鮮との関係を一段と難しくしている」と述べ、膠着(こうちゃく)状態に陥っている北朝鮮の非核化交渉に絡めて中国を批判した。トランプ氏はその一方で、同日夜のツイッター(Twitter)への投稿では、必要なら日韓との合同軍事演習を再開するとも言及した。これを受けて中国側は翌30日、米国の「無責任でばかげた理論」を一笑に付した。

 トランプ氏はツイッターで「中国が北朝鮮に対して資金や燃料、肥料、その他さまざまな商品を含む相当な援助をしている。これは役に立たない!」と重ねて中国を批判した。

 トランプ氏はホワイトハウスでの記者会見では「北朝鮮問題の一部は中国との貿易紛争が原因」だと指摘。米中貿易は「米国にとって不公平」であるため、貿易に関しては中国に対して厳しい姿勢で臨む必要があると改めて強調した。

 その一方で、中国の習近平(Xi Jinping)国家主席との関係は「素晴らしい」とも発言。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong Un)朝鮮労働党委員長とも「非常に良い関係」を築いていると語った。

 マイク・ポンペオ(Mike Pompeo)米国務長官は先週、訪朝を計画していたが、北朝鮮から米国に好戦的な書簡が届いたため中止したと報じられている。

 トランプ氏はツイッターで、6月の米朝首脳会談後に中止した米韓合同軍事演習について「現時点で多額のお金を費やす理由はない」としながらも、大統領が選べば韓国、日本との合同軍事演習を直ちに再開できると指摘した。

 トランプ氏の批判を受けて中国外務省の華春瑩(Hua Chunying)報道官は定例会見で、「多くの人が私同様、真実の歪曲(わいきょく)と無責任でばかげた理論にかけては、世界で米国の右に出る者はいないと感じている」と指摘。

「われわれは米国が中国人のように、問題解決に際し前向きで建設的な役割を果たしてくれることを願う。問題を解決するには、責任を転嫁するのではなく自省すべきだ」と述べた。(c)AFP