【8月29日 AFP】米国で3Dプリンターによる銃器の製造方法の公開をめぐって銃権利団体と州などが争っている問題で、テキサス州の銃権利活動家が28日、設計データの販売を開始した。連邦裁判所は先月、インターネットでの公開を一時差し止める命令を出しているが、活動家は販売には適用されないと主張している。

 データの販売に踏み切ったのはテキサス州の銃権利活動家コーディー・ウィルソン(Cody Wilson)氏。1か月前にも、同州の非営利団体「ディフェンス・ディストリビューテッド(Defense Distributed)」が5年に及ぶ法廷闘争の末にドナルド・トランプ(Donald Trump)政権と和解したことを受けて、自身のウェブサイトで銃の設計図の公開を始めていた。

 しかし連邦裁判所は7月31日、3Dプリンターで製作する銃の設計データのネット公開について一時差し止めを命令。さらに今月27日には差し止め期間を判決が下されるまで延長した。

 ウィルソン氏は28日に記者会見を行い、連邦裁判所の仮差し止め命令はネットでの無償配布に限って適用されると解釈していると説明した。ウィルソン氏が始めたのは設計データの販売で、USBメモリか電子メールで物理ファイルのコピーを送付するという。ただ、同日に再開したウィルソン氏のオンラインショップでは値段は購入者側が付けられるようになっている。

 ウィルソン氏は米国で3Dプリンター銃製造のためのファイルが欲しい人は誰でも入手できるようになったとし、銃器版の「iTunes(アイチューンズ)」になれてうれしいと語った。

 3Dプリンター銃の設計データはもう何年も前からネットでダウンロード可能になっていたとも指摘し、自身に配布を禁じるのは言論を検閲するようなものだと批判している。(c)AFP