ベトナムも元捕虜のマケイン氏を追悼、米越関係修復に尽力
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【8月28日 AFP】ベトナムの首都ハノイで27日、先週末に死去した米上院議員、ジョン・マケイン(John McCain)氏を追悼しようと、市民や米当局者らが市内にある同氏の記念碑に花を手向けた。同氏はベトナム戦争(Vietnam War)中に捕虜として収容された経験を持ちながらも、戦後はかつての敵である同国との関係修復に尽力した。
海軍戦闘機のパイロットだったマケイン氏は、同戦争中に撃墜され捕虜となった。悪名高き捕虜収容所「ハノイ・ヒルトン(Hanoi Hilton)」に5年超にわたり収監された同氏は、独房に入れられ殴打されるなどの拷問を受けた。
ハノイ市内のチュクバク(Truc Bach)湖そばには、同氏の戦闘機が撃墜された場所を示す「墜落記念碑」が立てられている。
だが戦争終結から数十年を経て、マケイン氏の名は同国で、捕虜という存在から平和の構築者として知られるようになった。
同氏が死去したとの報道は、ベトナムの国営メディアでもトップニュースとして伝えられ、追悼の声が国中から寄せられた。
弔意を表すためにハノイの米国大使館に赴いた人々の中には、ベトナム戦争の退役軍人らの姿もあった。
自転車で大使館を訪れた男性(81)は「物事を正しく認識し、ベトナム国民と結束した彼を私は称賛する。だからこそ、両国は過去を脇に置いて、未来をつくり上げることができたのだ」と述べた。
1995年に米越が国交を回復した後、マケイン氏は同国を数度訪問。かつて看守を務めた人物もマケイン氏について好意的に回想し、同氏が出馬し落選した2008年の米大統領選では、自分なら彼に投票しただろうと話していた。
著名な社会評論家のチュオン・フイ・サン(Truong Huy San)氏は26日フェイスブック(Facebook)で、マケイン氏の人柄が米越関係の修復を助けたとして、ベトナムはマケイン氏から教訓を得られると評した。そして、「人は勇気だけでなく、才能と道徳心を兼ね備えて初めて人民の英雄になれる」と述べた。(c)AFP/Tran Thi Minh Ha