【8月25日 AFP】米国国務省は24日、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)およびヨルダン川西岸(West Bank)の住民らに対する支援を2億ドル(約222億円)以上削減すると発表した。削減はパレスチナ自治区への支援プログラムを見直した結果、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の指示により決定したという。

 国務省高官によると、支援プログラムの見直しでは、イスラム原理主義組織ハマス(Hamas)による実効支配がガザ市民の生活を脅かし、人道および経済の壊滅的な状況がさらに悪化する中で、国際社会のガザ支援が直面する問題が考慮された。

 昨年末にトランプ大統領がエルサレム(Jerusalem)をイスラエルの首都と認定すると発表して以来、米政権とパレスチナ自治政府との関係は急激に悪化。米国は今年1月にも、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への拠出金を大幅に削減している。

 パレスチナのフサム・ゾムロット(Husam Zomlot)駐米代表(大使に相当)は米国の対パレスチナ支援削減発表を受け、「この政権(トランプ政権)は、米国が長年にわたってパレスチナで築いてきた展望や貢献を台無しにしている」と批判。UNRWAへの拠出金削減、エルサレムの首都認定に続き、今回の支援削減によって、トランプ政権が和平交渉で二国家共存による解決を放棄し、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相の「反平和的な議題」を全面的に信任していることが新たに示されたと指摘した。(c)AFP