【8月27日 東方新報】中国のインターネット配車業は、政府の管理対象だ。交通運輸部など七つの政府機関が2016年7月に発表した「ネット予約タクシーの経営服務管理に関する暫定弁法」に基づいている。

 18年7月の時点で、中国全土の210都市(4直轄市と206地方行政都市)でネット配車に関する管理細則が施行され、管理範囲は62.1%に及んでいる。

 規定が導入されてからまる2年がたったのを機に、人民網(People's Daily Online)の世論調査センターが中国25都市を選び、各都市のネット配車のルールに基づいた許容度総合評価の結果をまとめ「2018中国25重点都市ネット予約車許容度ランキング」として発表した。

 同ランキングは、主要な指標3点を設定。ネット配車法規の柔軟性、ネット予約車両の許可基準(ホイールベースや価格、使用状況など)、ネット配車運転手の許可基準(運転歴、戸籍、学歴、その他制限条件)、各都市で許可されるネット予約プラットフォームの数、世論の好感度、などだ。

 評価結果は、トップ3が四川省(Sichuan)成都市(Chengdu)、海南省(Hainan)三亜市(Sanya)、江蘇省(Jiangsu)無錫市(Wuxi)。これら3市のネット配車の許可基準は緩かった。2都市が調査対象に入った浙江省(Zhejiang)は、杭州市(Hangzhou)が4位、寧波市(Ningpo)は10位だった。一方、山東省(Shandong)青島市(Qingdao)、重慶市(Chongqing)、遼寧省(Liaoning)大連市(Dalian)などは、許可基準が厳しいと評価された。

 分析を行った結果、許可基準の比較的緩い都市は、合法的にネット配車の営業許可を取得する者が多く、世論の反応は穏やかだった。一方、許可基準の厳しい都市ほど、メディアとネットユーザーの中で許認可基準の緩和を求める声が高くなることが分かった。

 ランキング4位の杭州市は、ネット配車の許可基準は比較的緩い。杭州のネット配車の運営ルールは、台数と価格は市場原理に任せ、車両と運転手の許可条件は比較的緩い。車両と運転手の許可申請手続きには、「データだけがネット上を行き来し申請者は足を運ばなくて済む」原則が貫かれている。許可証もインターネットから発行するという。

 今回のランキングで点数が低かった都市は、戸籍やナンバープレート、ホイールベース、排気量などで厳しい制限を設けていることが分かった。

 厳しい許可制はネット予約車の安全運行に利する一方で、ホイールベースや排気量など安全と直接関係のない制限は、車を見つけづらい都市や、運賃が高い場所では、問題とみなされる傾向があった。

 こうした問題に対し、専門家はプラットフォームや市民らによる管理委員会などの仕組みを作って対応することなどを提案している。(c)東方新報/AFPBB News