ボルト氏が豪Aリーグで初練習、マンUでプレーする夢へ新たな一歩
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【8月21日 AFP】元陸上男子短距離の王者ウサイン・ボルト(Usain Bolt)氏が21日、サッカー豪Aリーグのセントラルコースト・マリナーズ(Central Coast Mariners FC)の練習に初めて参加し、イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)でプレーするという夢に向かって最初の一歩を踏み出した。
選手契約を目標にマリナーズの練習に参加することを認められたボルト氏は、そこまで冷え込んでいないにもにもかかわらず、手袋や長ズボンを着用して他の選手と一緒に軽めのストレッチやジョギングをこなしたり、ボールを蹴ったりした。45分間の練習の中でコントロールの良さも垣間見せたボルト氏は、「陸上と同じように、練習初日というのは大ざっぱなものだ。これから、どれだけ練習が必要なのか小手調べだね。だけど、良い感じだ」とコメントした。
この日32歳の誕生日を迎えたボルト氏は、昨シーズン限りで陸上競技から引退して以降、すでにドイツをはじめ、ノルウェーや南アフリカのクラブでトライアウトに参加しながらも、これまで夢は実現していなかった。しかし、マリナーズは2018-19シーズンまでに同氏が戦力となることを期待しつつ、その実力を示すために無期限でチーム練習に参加するチャンスを与えた。
シドニーから75キロメートル北部のゴスフォード(Gosford)に拠点を置くマリナーズの本拠地には、ボルト氏が新たな人生をゆっくり踏み出す姿を見るために、70以上のメディアが大挙した。五輪で8個の金メダルを獲得した人類最速の男は、疑いの目を向ける人々が間違っていることを証明する決意で臨んでいると強調した。
ボルト氏はマリナーズのマイク・マルベイ(Mike Mulvey)監督の横に座りながら、「自分では具体的な目標は立てていない。ただ練習に臨むだけ」とすると、「これはプロのサッカー選手に到達するための最初の機会にすぎず、まだ何も分からない。ただ自分を鼓舞していくだけだ。とにかく白紙の状態であり、学んで成長するためにここに来た。ウイングでもセンターフォワードでもどこでもいい。だけど、自分がどこでプレーするとか、どういうフォーメーションになるかは、監督が決めることで自分は知る由もない」と語った。
一方、マルベイ監督はボルト氏の第一印象について聞かれると、明らかに緊張していた様子だったとしながらも、「まだ初日にすぎない。彼は一流のアスリートであり、われわれは彼をチームに迎えられて本当に喜んでいる」と付け加えた。
「他の選手と同等」に扱われたいと志願したというボルト氏は、自身の強みは重圧の中でも冷静さを保ち、試合の流れをよく読めることだと強調。常識では引退を考える年齢でサッカーのキャリアを開始したとはいえ、挑戦に前向きであることに加え、いつかユナイテッドの本拠地オールド・トラフォード(Old Trafford)でプレーする夢が念頭にあると認めた。
「自分はいつも大きなことばかり夢に描いている。最大の夢の一つは、マンチェスター・ユナイテッドでプレーすること。たとえ5試合とか1試合だけであっても、それが一番大きな夢なんだ。ユナイテッドの大ファンだから、そうなったら夢が実現する」 (c)AFP