【8月21日 AFP】トイレや排水口に流される使い捨てコンタクトレンズが、海洋のマイクロプラスチック汚染の大きな原因の一つになっていると警告する研究結果が20日、発表された。

 米アリゾナ州立大学(ASU)の研究チームによると、コンタクトレンズとそのパッケージによって生じるプラスチック廃棄物の総量は米国だけで毎年、歯ブラシ4億本に相当するという。チームは米ボストン(Boston)で開催の米国化学会(American Chemical Society)総会で今回の研究結果を発表した。

 ASUのバイオデザイン研究所(Biodesign Institute)環境衛生工学センターの研究者ロルフ・ハルデン(Rolf Halden)氏は、記者団に「これらは重大な汚染物質だ」と述べ、「毎年数十億個のレンズが最終的に米国の下水に流れ込む。重さにして年間2万キロ以上に及ぶ大量のコンタクトレンズが下水に流されているということになる」と指摘した。

 自身も成人後の生活の大半でコンタクトを装着してきたというハルデン氏は、使用後のプラスチック製レンズはいったいどうなっているのだろうと疑問を抱いたのがきっかけで、今回の研究を開始した。ハルデン氏による推算の結果、コンタクトレンズの廃棄物に加えて、約1300万キロに及ぶポリプロピレンがコンタクトのパッケージによって発生することが分かった。

 コンタクトレンズの利用者は、米国だけで約4500万人に上り、装着されるレンズの個数は毎年総計で130億個以上となる。

 ASUの博士課程学生で研究者のチャーリー・ロルスキー(Charlie Rolsky)氏によると、米国のコンタクトレンズ利用者を対象とした調査では、「利用者の15~20%がレンズを排水口やトイレに流していることが明らかになった」という。

 では、これらのレンズはどうなるのだろうか。