プーチン大統領、オーストリア外相の結婚式に出席 野党から外相辞任要求も
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【8月19日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は18日、オーストリアのカリン・クナイスル(Karin Kneissl)外相(53)の結婚式に出席した。オーストリア野党は、政治的中立性の面でオーストリアの評価が損なわれたと批判している。
プーチン氏は、オーストリア南東部の美しい村ガムリッツ(Gamlitz)で行われたクナイスル外相と実業家のウォルフガング・メイリンガー(Wolfgang Meilinger)氏の結婚式に出席した約100人に上る招待客の一人。
結婚式には、同国中道右派の国民党(OeVP)を率いるセバスティアン・クルツ(Sebastian Kurz)首相や、極右政党・自由党(FPOe)を率いるハインツクリスティアン・シュトラッヘ(Heinz-Christian Strache)副首相も出席した。
オーストリアの野党政治家らは、クナイスル外相がプーチン氏を結婚式に招待したことで、欧州とロシアの「誠実な仲介者」というオーストリアの評価が損なわれたと批判。緑の党(Green Party)は、クナイスル外相の辞任を求めている。
プーチン大統領はクナイスル外相の結婚式に出席した後、クルツ首相に付き添われて空港へ向かい、予定されているアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)独首相との会談のためドイツに向かった。
厳しい移民政策などを掲げて2017年10月のオーストリア下院総選挙で第1党となった国民党と第3党となった自由党は、17年12月に連立政権を樹立。自由党は、クナイスル氏を外相に指名した。自由党は2016年以降、ロシアの与党・統一ロシア(United Russia)と「協力協定」を結んでいる。
自由党と同党のヘルベルト・キクル(Herbert Kickl)内相が情報機関への影響力を強めようとしているのではないかとの見方から欧米諸国がオーストリアとの情報機関の協力に慎重になっていると報じられている中で、プーチン大統領はクナイスル外相の結婚式に出席した。
複数の情報当局者は米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)に対し、オーストリア警察が今年2月に実施した国内情報機関BVTへの強制捜査は特に大きな懸念をもたらしたと語った。欧州のある情報当局高官は、同紙に「オーストリアで起きたことは独裁者の行動を思わせる」と語った。(c)AFP