自宅が浸水した女性、犬25匹を見捨てず救助を拒む インド・ケララ州
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【8月19日 AFP】記録的な豪雨による洪水の死者が増え続けているインド南部ケララ(Kerala)州で、自宅が浸水した女性が、飼っている25匹の犬と一緒でなければ避難しないとして救助を拒んだ。救助関係者が18日、明らかにした。
動物愛護団体「国際人道協会(Humane Society International、HSI)」のサリー・バーマ(Sally Varma)氏によると、今回の洪水でこれまでに324人の死亡が確認されたケララ州でも最も大きな被害を受けた地域の一つ、トリチュール(Thrissur)でHSIが救助活動をしていたところ、浸水し水位が上がりつつある住宅の屋内でベッドの上にうずくまる犬たちを見つけた。
この家に住むス二タ(Sunitha)という名前の女性は、犬たちと一緒でなければ家から離れないと救助隊員らに訴えた。どの犬も、元は野良犬かペットとして飼われていたが捨てられた犬だったという。救助隊員らが犬を避難させるのは不可能だと言うと、スニタさんはその場でボランティアと救助隊員を帰らせた。
「スニタさんは犬を見捨てたくなかっただけだったのです。その後彼女は私たちと連絡を取ることに成功しました」とバーマ氏は続けた。HSIの救助チームが改めてやってきた時には家は完全に浸水しており、犬たちはベッドで身を寄せ合っていたという。
スニタさんと夫、犬たちは現在、被災した動物たちのために設置された特別な避難所に入っている。バーマ氏は、洪水が引いた後にスニタさんが家に犬小屋を建てられるよう資金集めを始めたと語った。(c)AFP