【遣唐使から21世紀まで、旅する漢籍(下)】本への愛は言語超え
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【8月18日 東方新報】古書店として名高い北京の「中国書店」総経理の於華剛(Yu Huagang)氏はどうやって、日本の書店で「お宝」を発掘するのだろうか。
於氏は「中国書刊発行協会」古書業工作委員会の主任も務めている。同委員会は日本の業界団体とも古くから交流があった。
「ある年、日本の書店関係者が冬の北京を訪れた時、皆さんは薄着でした。私は彼らを衣料店に連れて行き、ダウンジャケットを買って差し上げました。こうした関係がありますので、毎年、日本の大きな書籍イベントに展示される書籍などのリストも手に入ります」
於氏は日本に行くと、観光もせずひたすら書店を巡る。
「札幌を訪れた際には、中国人留学生に車を運転してもらい、本屋を巡りました。この数年で北は北海道から南は北九州まで行きましたよ」
しかし日本語ができない於氏が、どうやって日本の書店関係者やコレクターとやり取りするのか。
於氏は日本で明版の「四書」を購入した時のエピソードを語った。日本の古書店主は中国語が分からず、於氏も日本語を話せなかった。しかし二人は、漢字を使って筆談で交流した。
於氏「貴重な古書があれば見せてください」。店主「この本はお見せできますが、売れません」。そんなやりとりを重ね、粘って古書を手に入れたこともある。
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