「同性婚ケーキ」拒否の店主、トランスジェンダーと再び裁判沙汰に 米コロラド州
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【8月16日 AFP】同性カップルからのウエディングケーキのデザイン依頼を拒否して不評を買った米コロラド州の洋菓子店の店主が、今度はトランスジェンダーの女性からの誕生日ケーキの注文をめぐり、州を相手取って裁判を起こした。
デンバー郊外にある洋菓子店マスターピース・ケーキショップ(Masterpiece Cakeshop)を経営するジャック・フィリップス(Jack Phillips)さんは14日、言論と宗教の自由が侵害されているとして州を訴えた。
今年6月、フィリップスさんがキリスト教の信仰を理由に同性カップルに対するサービスを拒否したことをめぐる裁判で、連邦最高裁判所はフィリップスさん側の主張を部分的に支持する判決を下した。
判事9人のうち7人は、コロラド市民権委員会(Colorado Civil Rights Commission)がフィリップスさんの「誠意ある宗教的信念に対し、明白かつ許されない敵意」を示したと認定。憲法で保障されている信教の自由を侵害したとの結論が下された。
ただし最高裁は、宗教的見解に基づき同性愛者に対する商品やサービスの提供を拒否できるかという問題については判断を避けていた。
新たな裁判の当事者である弁護士のオータム・スカーディナ(Autumn Scardina)さんは昨年6月、自身の誕生日と男性から女性に性別を移行してから7周年となるのを祝うため、外側が青で内側がピンクのケーキを注文。しかしフィリップスさんから宗教上の信念のため注文に応じることはできないと断られ、この対応は差別だとする訴状をコロラド市民権委員会と共同で提出した。
コロラド州当局は今年6月、スカーディナさんの主張を裏付ける証拠は十分にあるとし、双方に円満解決を求めたものの、一方のフィリップスさんは自身の信仰が原因で州から不当な扱いを受けていると主張。この裁判で宗教の自由とLGBT(性的少数者)の権利をめぐる論争が巻き起こる可能性もある。(c)AFP