ドイツ、「第3の性」認める法案を閣議決定 年内の成立目指す
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【8月16日 AFP】ドイツ政府は15日、出生届の性別欄に男女以外の「第3の性」を加える法改正案を閣議決定した。男女の区別がはっきりしない新生児に関して「ディバース(多様、それ以外)」という項目を選べるようにするもので、年内の可決を目指す。
改正案では、性器や染色体など性的形質が典型的な男女の区別に完全には適合しない「インターセックス」に生まれた子どもについて、出生届で新たな項目を選択できるようにした。
アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相率いる中道右派政権のカタリナ・バーリー(Katarina Barley)法相は、この法改正は「長年の懸案」だと指摘。「誰も性同一性に基づいて差別されるべきではない」と述べ、第3の性はインターセックスの人たちが「尊厳と前向きなアイデンティティー」をもっと持てるようにするものだと意義を強調した。
ドイツ連邦憲法裁判所は昨年11月、インターセックスの原告が起こした裁判で、個人の性的アイデンティティーは基本的な権利として保護されるとし、性別に関する現行の区分はインターセックスの人たちに差別的だと認定。議会に対して2018年末までの法改正を命じていた。
ドイツでは2013年以降、インターセックスの子どもに関しては、出生届の性別欄を空白にしておくことが認められている。(c)AFP