【8月16日 AFP】米財務省は15日、北朝鮮への輸出をほう助し、同国に対する国連制裁決議に違反したとして中国とロシアの企業に制裁を科すと発表した。米政府は北朝鮮の核開発計画をめぐり圧力の維持を図っている。

 同省は、中国の貿易企業とこの企業のシンガポールを拠点とする関連会社が文書を改ざんし、北朝鮮への酒類やたばこの輸出に便宜を図っていたと指摘。一連の輸出活動により、北朝鮮政府に年間10億ドル(約1100億円)の収益をもたらす大規模なたばこの密貿易が促されていたとした。

 同省はまた、ロシア東部にある3か所の港で、国連制裁の対象となっている複数の北朝鮮籍船に物資の積み込みや燃料補給などのサービスを提供したとして、ロシア企業1社を制裁対象に指定。さらに、北朝鮮との取り引きに「個人的に関与」していたとして、この企業の社長を制裁対象に加えた。

 スティーブン・ムニューシン(Steven Mnuchin)米財務長官は15日の声明で、「財務省は現行の対北朝鮮制裁を引き続き実施するとともに、(北朝鮮への)密輸をほう助し、北朝鮮に収入の道筋を与える企業、港湾、船舶を阻止・指定する措置を取っていく」と発表した。

 同長官は「これらの制裁への違反に対する措置は、われわれが最終的かつ完全に検証された北朝鮮の非核化を達成するまで維持される」と述べた。(c)AFP