【8月12日 AFP】在英のNGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」は11日、シリア北部の反体制派掌握地域に対して行われた10日の激しい空爆で、子ども28人を含む少なくとも53人の民間人が死亡したと発表した。

 シリア人権監視団によると空爆とたる爆弾の標的となったのは反体制派掌握地域の要衝イドリブ(Idlib)県と、同県と隣接するアレッポ(Aleppo)県の町ウレム・アルカブラ(Orum al-Kubra)。ウレム・アルカブラでは子ども25人を含む41人、イドリブ県では子ども3人を含む12人が死亡したという。

 同監視団はアレッポ県への空爆がシリア政権軍かロシア軍によるものかは不明としたものの、イドリブ県への空爆は両軍の連合軍によるものと指摘した。

 同監視団のラミ・アブドル・ラフマン(Rami Abdel Rahman)代表によると、10日の空爆はイドリブ県が昨年「緊張緩和地帯(安全地帯)」に指定されて以降最も激しいもので、2018年に入ってから最多の犠牲者が出たという。

 イドリブ県には同国最大の反体制派掌握地域があり、バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領は首都ダマスカス近郊と南部の反体制派支配地域を奪還後、同県を次の奪還目標に挙げている。

 反体制派はここ数か月間で掌握地域の大部分を政権軍に奪われており、奪還された地域には「緊張緩和地帯」の指定地域3か所も含まれている。(c)AFP