トルコ大統領が米批判 「牧師とNATO同盟国を引き換えにしている」
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【8月12日 AFP】トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は11日、米国人牧師の拘束をめぐる米国の「脅し」に反発し、北大西洋条約機構(NATO)の同盟国を「牧師と引き換えにしている」と批判した。
米・トルコはともにNATO加盟国だが、両国間では牧師拘束の問題をめぐり緊張が高まっており、トルコの通貨リラに売り圧力がかかっている。
エルドアン大統領はトルコの黒海(Black Sea)沿岸にある町ウニエ(Unye)での集会で、米国を名指しし、「牧師をめぐる脅しでトルコをひざまずかせようとするなど、大間違いだ」と発言。さらに「恥を知れ、恥を知れ。お前たちはNATOの戦略パートナーと牧師を引き換えにしているのだ」と述べた。
また同大統領は、「あちらにダラー(ドル)があるなら、こちらにはアラー(神)がいる」と述べ、リラ急落に慌てないよう国民に求めた。
ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は10日、トルコからの輸入鉄鋼・アルミニウムに対する関税の倍増を承認したと表明。両国の外交関係が悪化する中、苦境にあるトルコ経済に圧力を加えた。同日のリラ相場は対ドルで前日比16%下落した。
トルコは米国人のアンドルー・ブランソン(Andrew Brunson)牧師をテロ関連の容疑で2年近く前から拘束している。両国関係は現在、これを含む多くの問題により近年でも特に深刻な対立に陥っている。(c)AFP