また、一部の補習校では、学校の教育プログラムより早めに教えることで、保護者の焦りを刺激する。学校では、多数の子どもが補習校ですでに学習し終わっているため、学校の教育計画を逆に早める対応を取る場合もあり、保護者が恐れや焦りを感じる要因となっている。

■「遊学」市場は過熱

 しかし、こうした習い事の費用対効果は決して良くない。例えば、「研修旅行」が近ごろ流行っており、旅行を提供する「訓練機構」が数多く参入し、異常なほど過熱している。

 中国外への旅行商品に「遊学」の名前を付けて、価格だけ高く設定する会社もある。実際は、大学や博物館、図書館などの公共施設の見学しか予定に組み込まれていない。この種の商品は価格だけが高く、内容的には薄っぺらなもので、遊学の遊びだけで学びは入らない。

 こうした市場環境で、保護者たちに求められることは、よく目を凝らして、理性的に、慎重にコースを選択し、お金さえ支払えば良しというような考えは望ましくない。

 子どもの夏休みにぎっしりとイベントを入れることは、必ずしも最良な教育方式ではない。北京の一部の訓練機構では、1日に5科目計10時間といった高密度のコースを設定している。大人でもきついと感じられるほどで、子どもにとってはかなり厳しい。こうした学習環境では、子どもは集中して勉強をすることは難しく、逆に勉強を嫌がってしまい効果は上がらない。

 長い間、国は小中学生の「負担軽減」に取り組んできたが、負担軽減は国や学校だけでは実現しない。保護者の協力が不可欠だ。保護者は教育の基本的規律を尊重し、子どもの成長を、時間とお金をすり減らすだけのゲームにしてはならない。子どもには自分で自主的に決められる余裕を与え、自分の考えと趣味に基づいて夏休みの過ごし方を決めさせるべきだろう。(c)東方新報/AFPBB News