【8月10日 AFP】昔ながらの方法で父親になることを目指している男性は、締め付けのない下着のパンツをはいた方がよいとする研究結果が9日、発表された。

 英学術誌「ヒューマン・リプロダクション(Human Reproduction)」に掲載された論文によると、体に密着するブリーフを好む男性に比べて、トランクス型のパンツを愛好する男性の方が有意に精子数が多く、精子濃度も高かったという。

 さらに、精子がより活発で、生殖ホルモン濃度も子をもうけるのにより適した状態だった。

 米ハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard University T.H. Chan School of Public Health)のリディア・ミンゲス・アラルコン(Lidia Minguez-Alarcon)氏率いる研究チームは、病院で不妊症治療を受けているパートナーを持つ年齢18~56歳で、標準体重の男性656人を対象とする調査を行った。

 過去の研究でも同様の結論に達していたが、今回の研究よりサンプル数が少なかった。また、卵胞刺激ホルモン(FSH)に関する裏付けデータが得られたのも今回が初めてとなった。

 精子の順調な生成には、体温より3~4度低い温度の環境が不可欠だ。男性の陰嚢(のう)が体外にぶら下がっている構造をしている理由は、これで説明がつく。陰嚢は実質的に、精子を生成する睾丸を体腔の外に置く冷却装置となっており、何らかの理由でここでの冷却が妨げられると、精子の生成および質に問題が生じる恐れがある。

 男性の更衣室で長年にわたりトランクス派対ブリーフ派の間で展開されてきた議論は医学的なものではなく、その見た目についての性質を帯びていたが、その一方で「体にぴったりしたパンツは睾丸の温度を上げるか」という疑問は以前より提起されていた。

 これに対する答えは、「若干はあるが、問題にはならないかもしれない」となりそうだ。