【8月10日 AFP】マイク・ペンス(Mike Pence)米副大統領は9日、宇宙軍(US Space Force)創設計画の詳細を明らかにし、「次の戦場」に備える時が来たと語った。

 米軍は現在、陸軍、海軍、空軍、海兵隊、沿岸警備隊の5軍で構成されており、宇宙軍は6番目の軍となる。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は6月、国防総省は宇宙における脆弱(ぜいじゃく)性に対処し、軌道上での米国の優位性を確立しなければならないと主張し、宇宙軍の創設を命じていた。

 ペンス副大統領は国防総省で演説し、できればトランプ大統領の任期が終わる2020年までに宇宙軍の創設を実現したいという政権の意向を明確に示した。

 宇宙軍の創設は、国家安全保障上の宇宙の役割が劇的に変化した現実を反映したものだ。ペンス副大統領は、対衛星兵器の開発を「積極的」に推し進めるロシアと中国に対抗するには、独立した宇宙軍が不可欠だと指摘した。

 現在、宇宙に関連する軍事機能の大半を空軍が管轄しているが、それが宇宙軍の任務と重なり、縄張り争いを生むのではないのかとの懸念の声もある。

 宇宙軍創設について共和党の一部の議員は支持を表明しているが、多くの民主党議員は予算を浪費して優先度が高い他の事業を危険にさらすアイデアだと一笑に付している。

 ジェームズ・マティス(James Mattis)米国防長官は昨年、独立した宇宙軍創設の必要性について懐疑的な見方を示していたが、今月7日に各軍種から人材を集めて組織し宇宙軍創設の前段となる米宇宙コマンド(US Space Command)の新設に全面的な支持を表明していた。(c)AFP/Thomas WATKINS