万里の長城で夜を過ごす企画、反発受けてAirbnbが取りやめ
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【8月8日 AFP】民泊仲介サービス「エアビーアンドビー(Airbnb)」は7日、同社が企画した中国の「万里の長城(Great Wall)」で一夜を過ごす機会をかけたコンテストに対し、遺跡の損傷を懸念する人々がオンライン上で反発していることを受け、企画を取りやめると発表した。
「万里の長城での夜」をかけたコンテストのニュースは、同国のソーシャルメディア上で炎上し、古代の遺跡への敬意に欠けた売名行為だと非難する声が上がっている。
中国版ツイッターの微博(ウェイボー、Weibo)には利用者の一人が、「どんなに粉飾しても、このコンテストが一民間企業によるものであり、古代の建造物を間違いなく傷つけるという事実を隠すことはできない」と投稿した。
また、万里の長城が通る延慶(Yanqing)区当局は声明で、企画について知らせを受けておらず、いかなる許可も与えていないと述べた。
その一方でエアビーアンドビーは7日、「当イベントを進めない判断を下し、代わりにわれわれは、旅行先としての中国を紹介するさまざまな別の体験や構想を企画している」と発表。
先週始まった今回の企画では、文化的な壁の打破と新たな関係性の構築をテーマにしたエッセーを書くよう応募者に求めていた。
優秀者4人には、長城にあるいにしえのやぐらに設置された特製の寝室で一夜を過ごす機会が与えられる予定だった。エアビーアンドビーは、文化財保護の専門家と相談した上で設置されたものであり、長城の「くぎ1本」も動かす必要はなかったと主張している。
同社はこれまでにも、仏パリの地下墓地「カタコンブ(Catacombs)」やオーストラリアのサンゴ礁「グレートバリアリーフ(Great Barrier Reef)」、英ロンドンのアビー・ロード・スタジオ(Abbey Road Studio)をめぐって、同様のコンテストを開催してきた。(c)AFP