桃田が恩返しの世界選手権制覇、日本男子単で初の快挙
このニュースをシェア
【8月6日 AFP】第24回世界バドミントン選手権大会(2018 TOTAL BWF World Championships)は5日、男子シングルス決勝が行われ、大会第6シードの桃田賢斗(Kento Momota)が21-11、21-13で第3シードの石宇奇(Yuqi Shi、シー・ユーチ、中国)に勝利し、この種目では日本勢初となる世界王者に輝いた。桃田は試合後、賭博問題で苦労をかけた人たちにこのタイトルをささげると話している。
桃田は中国の期待の新星、石宇奇との決勝に完勝。最後はネットに当たったショットが相手側のコートに落ちる幸運な形で優勝が決まると、すぐ石宇奇に謝った。
バドミントンが二度とできなくなる恐れもあった賭博問題と謹慎処分について、これまであまり話すことのなかった桃田は、質問に対して一呼吸おいてから「試合ができない期間、いろいろな方に支えられた。そこの感謝の気持ちが勝因」と話した。
世界ランキング7位の桃田は、バドミントン界を10年以上にわたって支配してきたリー・チョンウェイ(Chong Wei Lee、マレーシア)と林丹(Dan Lin、リン・ダン、中国)という2人のスーパースターのように、偉大な選手になりたいとも話している。
桃田は「できれば長い時間、ファンを楽しませられるようなプレーヤーになりたい」とコメントした。今大会、リー・チョンウェイは体調不良で欠場し、林丹は石宇奇に敗れて3回戦敗退だった。
桃田は世界ランキング2位だった2016年、裏カジノに出入りしていたことが発覚してキャリアが暗転し、日本バドミントン協会(NBA)から約1年間の出場停止処分を受け、リオデジャネイロ五輪にも出場できなかったが、復帰後はトップへの道を着実に歩み、今大会でも優勝候補の一人に挙げられていた。
一方の石宇奇は、地元の観客の前でのプレーだったが、緊張を隠し切れず、ミスが多かった。
女子シングルスでは、リオ五輪金メダリストでもある第7シードのキャロリーナ・マリン(Carolina Marin、スペイン)が攻撃的なプレーで第3シードのプサルラ・シンドゥ(Pusarla V. Sindhu、インド)に21-19、21-10で快勝。女子では初となる世界選手権3個目のタイトルを獲得し、こちらも歴史に名を刻んだ。(c)AFP/Peter STEBBINGS