欧州で続く猛暑、溶けるアスファルト 仏では原子炉停止
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【8月5日 AFP】欧州は、8月最初の週末となった4日も各地で猛暑に見舞われた。ポルトガルは同国史上最高気温に迫る46度を記録したほか、他の国でも熱波で森林火災が発生したり、高速道路でアスファルトが溶け出したりする事態が起きている。一方、降雨のあったスウェーデンは猛暑も小休止となった。
■スペイン、熱中症で3人死亡
スペインでは、熱中症でこれまでに3人が死亡。南部の観光地コルドバ(Cordoba)では気温44度を記録した。
北東部カタルーニャ(Catalonia)自治州では、フランスとの国境沿いで火災が発生。スペインとフランスを結ぶ高速道路が数時間にわたって閉鎖されたが、火災は夕方までに鎮火され閉鎖は解除された。
一方、現地の環境農林当局によると、ポルトガルと国境を接する南西部サンビセンテデアルカンタラ(San Vicente de Alcantara)でも森林火災が発生し、こちらは強風と高温にあおられて炎が燃え広がり、現在も消火活動が続いている。
■ポルトガル、体感温度は50度
ポルトガル南部モンシケ(Monchique)では、気温46度を記録。地元の救助活動責任者によると、体感温度は50度にもなる猛暑と乾燥した空気にあおられて、2か所で森林火災が発生した。
首都リスボン当局は、市内各地の公園を閉鎖し、ピクニックなど屋外での活動を控えるよう市民に呼び掛けている。
また、ホームレスの人たちが日中の厳しい暑さから逃れられるよう避難所も開設された。
■オーストリア、犬にも靴が必要
オーストリアの首都ウィーンでは、警察犬たちが特別仕様の靴を履いてビーチバレー大会会場の浜辺をパトロールした。警察によると、気温は34度程度でも太陽に照らされた砂浜の表面温度は50度以上にもなるという。
■オランダ、道路のアスファルトが溶けた
オランダでは、高速道路の各所で高温で熱せられたアスファルトが溶け出したため、一部区間が閉鎖となった。
■フランス、猛暑で原子炉を停止
フランスでは、猛暑を受けてフランス電力(EDF)が原子炉4基を停止した。原子炉は川から取水した水を冷却水として使用した後、再び川に放水しており、停止は放出水で川の水温が上昇することを防ぐための措置だという。
■イタリア、79歳女性が死亡
イタリア北西部リグーリア(Liguria)州では、海辺にいた79歳の女性が熱中症とみられる症状で死亡したと、メディアが報じた。
■スウェーデン、雨で猛暑和らぐ
一方、先月は過去250年間で最も暑い7月となったスウェーデンだが、8月4日は国内の広い地域で雨が降ったおかげで、スウェーデン気象水文研究所(SMHI)によると気温は平年並みの20~25度まで下がり、猛暑はいったん小休止となった。
(c)AFP