ベネズエラ大統領を暗殺未遂、演説中にドローン爆発 謎の反体制派が犯行声明
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【8月5日 AFP】(更新、写真追加)南米ベネズエラで4日、軍事式典で演説中のニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領(55)の近くで、爆発物を搭載した複数のドローンが爆発する騒ぎがあった。大統領は無傷で難を逃れたが、兵士7人が負傷した。ベネズエラ政府が明らかにした。謎の反体制派グループが、大統領暗殺を狙った攻撃だったと犯行声明を出した。
生中継していた国営テレビの映像には、演説中に爆発音を耳にしたマドゥロ大統領が困惑して顔を上げる様子や、パレードしていた国家警備隊(National Guard)が隊列を乱し、散り散りになる様子が映っていた。
テレビ映像は、大統領の身を守ろうと防弾盾を持った警護官らがマドゥロ氏の前に集まる姿を捉えたが、ドローン自体は映っていなかった。テレビ中継は突然中断された。
タレク・ウィリアム・サーブ(Tarek William Saab)検事総長はCNNに対し、式典を撮影していたドローンが爆発したのを見たと話した。
ホルヘ・ロドリゲス(Jorge Rodriguez)通信情報相は「これはニコラス・マドゥロ大統領に対する攻撃だ」と述べた。
ロドリゲス通信情報相によると、「大統領の演壇近く」と、首都カラカス中心部のパレードが行われていた沿道の数か所で爆発物が爆発した。このパレードは、制憲議会の発足1周年を記念するものだった。
マドゥロ大統領は無傷で難を逃れ、現在は政府高官や閣僚、軍幹部と連絡を取り合って通常通り公務を行っているという。しかし、この爆発により国家警備隊の隊員7人が負傷し、病院で手当てを受けた。
■マドゥロ大統領、コロンビアを非難
マドゥロ大統領は4日、自身を標的としたこの攻撃の黒幕はコロンビアだと非難し、捜査によって爆発に関与した数人が逮捕されたと述べた。
軍事式典での演説を爆発騒ぎで打ち切ったマドゥロ大統領は、その後まもなく国営放送で「私の目の前で飛行物体が爆発した」と述べ、事件の背後にはコロンビアのフアン・マヌエル・サントス(Juan Manuel Santos)大統領がいると非難した。
同大統領は「私の殺害を狙った攻撃だった。やつらは今日、私を暗殺しようとしたのだ」「この攻撃の背後にいるのはフアン・マヌエル・サントスだと確信している」と語った。
コロンビア外務省は「ばかげている」「一切の根拠がない」として、マドゥロ大統領の発言内容を否定した。
また、同大統領は、詳細は語らなかったものの、これまでの捜査で米フロリダ州にいる「資金提供者」が関与していたと示唆し、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が「これらのテロリストグループ」と闘うことを望むと述べた。
ある米国務省高官は、ホワイトハウス(White House)は状況を注視していると述べた。
一方で、ベネズエラ政府は「極右勢力」の犯行だったとしている。ベネズエラ政府は反政府勢力のことを「極右勢力」と呼んでいる。