【8月5日 AFP】ブラジルの労働党(PT)は4日、収賄罪で収監中のルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ(Luiz Inacio Lula da Silva)元大統領(72)を大統領候補に指名した。

 サンパウロ(Sao Paulo)で開催された同党の党大会で読み上げられたメッセージの中でルラ氏は「ブラジルは民主主義を復活させる必要がある」と述べた。収賄罪で禁錮12年の有罪判決を受け収監中のルラ氏は、ブラジル大統領選の世論調査では圧倒的な首位を維持している。

 ルラ氏の大統領選立候補を認めるのか裁判所の判断はまだ出ていないが、現行法では刑事事件で有罪となり上訴審でも敗訴した人の立候補は認められていないためルラ氏にとって見通しは暗い。このため、最終的には労働党の副大統領候補がルラ氏に代わる大統領候補になる可能性があり、その人選に注目が集まっている。

 中南米最大の経済力を誇るブラジルの大統領選は10月7日に第1回投票が行われる予定。4日は労働党を含め3党が党大会を開いた。

 中道左派のREDE(持続可能性ネットワーク党)は首都ブラジリアで党大会を開き、環境保護政策を掲げるマリナ・シルバ(Marina Silva)元環境相を大統領候補者に選んだ。中道右派のブラジル社会民主党(PSDB)もブラジリアで党大会を開き、体制派の重鎮ジェラルド・アルキミン(Geraldo Alckmin)前サンパウロ州知事の大統領選擁立を決めた。(c)AFP/Paula RAMON and Jordi MIRO