干ばつに見舞われたイラク、耕地面積が半減
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【8月5日 AFP】イラクでは今年、集約的な水利用を必要とする作物の栽培が干ばつの影響で禁止されたため、耕地面積が前年比で半減したことが分かった。同国政府が明らかにした。
政府は6月、大規模なかんがいを必要とするコメやトウモロコシといった穀物の栽培を中止させる前代未聞の措置を導入。当局によると、稲作農家の今年の損失額は、3400万ユーロ(約44億円)に上る見通しだ。
干ばつの影響は家畜にも及び、イラク南部では牛が水不足で死んだり、例年より多く食用に出荷されたりして、家畜数は30%減少した。
同国南部のジーカール(Zi Qar)州では、当局によると水利の良い土地を求めて400世帯超の農家が離村したという。
チグリス(Tigris)川とユーフラテス(Euphrates)川が国土を流れ、「2本の川が流れる土地」として知られるイラクだが、近年は水資源が減少している。
専門家らによると、イラクの干ばつの主因は今年見舞われた深刻な雨不足ではなく、水資源の地域配分だという。
国境を接するトルコとイランでは近年、イラクと共有する国際河川やその支流の流れが変動。またトルコ側のチグリス川にイリス(Ilisu)ダムが設置されたことで、イラクの農業はさらなる打撃を受けた。(c)AFP