中国政府批判で知られる艾未未氏のスタジオ、取り壊し始まる
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【8月4日 AFP】中国政府批判で知られる現代芸術家の艾未未(アイ・ウェイウェイ、Ai Weiwei)氏が作品制作に使用していた、首都北京郊外にあるスタジオの取り壊しが3日、始まった。窓はショベルカーによって粉々になり、作業員ら作品の運び出し作業に追われた。
もともとは自動車の部品工場だったというスタジオでは、夕暮れ時に汗まみれの作業員らが作品を大きな木箱に詰め込み、トラックの荷台に載せていた。
3年前に中国を後にし、現在はドイツのベルリンで暮らす艾氏はこの数時間前、インスタグラム(Instagram)に空になった建物の中に立つ作業員らとショベルカーによる取り壊し作業を撮影した動画を投稿。艾氏は取り壊しが知らせもなく始まったと述べ、「さようなら」と英語でコメントした。
2008年の北京五輪でメイン会場となった北京国家体育場(Beijing National Stadium)、愛称「鳥の巣(Bird's Nest)」のデザインに携わった艾氏は、中国の指導部に対する批判を行ったことで冷遇されるようになった。
2011年には、反政府派に対する取り締まりの最中に81日間拘束された。パスポートは没収されたが、2015年に返却された後、ベルリンへ移住した。
10年ほど艾氏と共に活動するアシスタントによれば、昨年秋に部屋の賃貸契約が終了しており、艾氏は取り壊しについて怒りをあらわにすることはなかったという。(c)AFP/ Becky Davis