【8月4日 AFP】ジョージ・H・W・ブッシュ(George H.W. Bush)元米大統領の治療を担当したこともあるテキサス州の著名な医師が殺害され、同州警察が行方を追っていた元警察官の容疑者が3日、自殺したことが分かった。地元警察当局によると、同容疑者は警察官の目の前で自らの頭を銃で撃ったという。

 心臓専門医のマーク・ハウスクネクト(Mark Hausknecht)氏(65)は7月20日朝、自転車で職場に向かっていたところをジョゼフ・ジェームズ・パパス(Joseph James Pappas)容疑者(62)に銃で撃たれて死亡した。

 2000年にブッシュ元大統領の治療にも当たったハウスクネクト氏は、ヒューストン・メソジスト病院(Houston Methodist Hospital)に勤務しており、パパス容疑者の母親が20年以上前にハウスクネクト氏が執刀した手術中に死亡したことが犯行の動機とみられていた。

 ヒューストン警察の本部長によると、パパス容疑者は3日朝、警察官2人に発見され、その場で自殺した。

 防犯カメラの映像によるとパパス容疑者は先月20日、自転車でハウスクネクト氏を追走し、追い抜きざまに振り向いて2回発砲したという。

 外部からの情報によってパパス容疑者が特定され、警察が先月31日夜に容疑者の自宅を捜索したところ、ハウスクネクト氏に関する大量の情報が発見された。容疑者は計画的にハウスネクスト氏を狙ったとみられる。

 警察が1日夜にパパス容疑者の情報を公開し、市民に情報提供を呼びかけたところ目撃情報が寄せられ、3日朝に自宅からさほど離れていない草地でパパス容疑者を発見した。

 ヒューストン警察の本部長によると、発見された時パパス容疑者は拳銃1丁を持ち、防弾チョッキを着用していた。最初に発見した警察官の指示に従わず、2人目の警察官が到着したところ自らの頭を銃で撃った。

 警察本部長は、パパス容疑者がハウスクネクト氏を殺害した際に狙撃手並みの技術を見せていたことから、事件終結に安堵の表情を見せた。米NBCニュース(NBC News)によると、パパス容疑者は2013年に退職するまで30年間警察に勤務していた。(c)AFP