ベトナムで米男性拘束 「国家転覆罪」の疑いで
このニュースをシェア
【8月3日 AFP】ベトナムで先月、ベトナム系米国人の男性(54)が国家転覆を試みた疑いで拘束されたことが分かり、男性の家族と米国の議員が直ちに解放するよう求めている。
米カリフォルニア州在住のマイケル・グエン(Michael Nguyen)氏は先月、ベトナムを訪問している間に行方不明となった。ベトナムで政治批判を行った疑いで拘束された米国人は、過去数週間で2人目。グエン氏の妻はパニック状態でグエン氏を探し始めた。
在ホーチミン米国総領事館は、グエン氏が7月7日にベトナム刑法の第109条に反し「国家を転覆させようとした」疑いで、正式な起訴もないまま同市内の刑務所に拘束されたことを確認した。109条に違反した場合の最も重い刑罰は死刑となっている。
カリフォルニア州の下院議員ミミ・ウォルタース(Mimi Walters)氏は声明で、拘束されているグエン氏の解放に向けて努力すると述べた。
ベトナム外務省の報道官は2日の記者会見で、この件について関係当局に問い合わせると述べた。一方、米大使館の広報担当ポープ・スローワー(Pope Thrower)氏は「メディアの報道を通じて米国人がベトナムで拘束されていることを認識している」と述べたが、詳細については触れていない。
AFPの取材に応じたグエン氏の友人によると、グエン氏はベトナム南部を活動家3人と共に旅行中、行方が分からなくなったという。しかしグエン氏の義理の兄弟は、同氏は政治活動には参加していなかったと証言した。
共産党一党支配のベトナムでは、現状改革を訴える運動があれば当局がすぐさま取り締まり、政府を批判する者は日常的に投獄されている。(c)AFP