【8月3日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米政権は2日、バラク・オバマ(Barack Obama)前政権の下で導入された自動車の燃費改善基準を緩和する政策案を正式に発表した。カリフォルニア州など環境対策に積極的な各州との法廷闘争は避けられない見通しだ。

 環境保護局(EPA)と道路交通安全局(NHTSA)が発表した案は、オバマ前政権が義務付けた厳格な燃費基準について、2020年以降には「適切でも合理的でもなくなる」と指摘。パブリックコメント(意見公募手続き)や公聴会を経て、2021~26年型の車に新基準を適用するとしている。

 トランプ政権の政策案はまた、カリフォリニア州に認められていた独自の厳格な排ガス規制の制定権限も剥奪する。全米で最も人口の多いカリフォリニア州は、独自の環境規制によって販売できる車種を制限しており、全米十数州がこの基準に従っている。

 オバマ政権は2011年、新車の平均燃費を2025年までにガソリン1ガロン当たり54.5マイル(1リットルあたり約23.2キロ)に段階的に引き上げる規制方針で、大手自動車メーカー各社と合意した。

 しかし、トランプ政権は自動車産業に不都合だとして、一貫してオバマ前政権の燃費規制を批判してきた。(c)AFP/John BIERS