リビアで韓国人ら4人拉致、韓国が軍艦「文武大王」を派遣
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【8月2日 AFP】韓国政府は2日、北アフリカのリビアに軍艦を派遣したことを明らかにした。リビアで何者かに拉致された韓国人ら4人が助けを求める動画が今週公開されたことから、身柄解放を目指した示威行為とみられる。
当局筋によると、派遣されたのはソマリア沖アデン湾(Gulf of Aden)で海賊の警戒に当たっている駆逐艦「文武大王(Munmu the Great)」。韓国国防省の報道官は「文武大王」について、「商船の護衛任務を遂行するとともに、軍事支援の必要性を含むあらゆる事態に備えている」とAFPに説明したが、詳細は明らかにしなかった。
拉致されたのは韓国人1人とフィリピン人技師3人で、リビア西部の水利事業の現場で先月6日に襲われた。韓国・フィリピン両政府は、今週ソーシャルメディアに公開された動画に映っているのがこの4人だと確認した。
米テロ組織監視団体SITEインテリジェンス・グループ(SITE Intelligence Group)も同じ動画を公開した。
動画の中で4人はカメラに向かって英語で呼び掛けている。背後には武装した見張りの男が砂地にしゃがんでいるのが映っている。撮影日は不明。4人を拉致したグループは特定できておらず、犯行声明も出ていない。
韓国大統領府(青瓦台、Blue House)の金宜謙(キム・ウィギョム、Kim Eui-kyeom)報道官は、「わが国の持てる資源全てを使って全力を尽くしている」との声明を発表。拉致された韓国人について「韓国と韓国大統領は、一瞬たりとも彼を忘れていない」と述べた。
また、韓国政府が事件発生直後からリビアに加えフィリピン、米国など同盟諸国と緊密に連携し、被害者の安全と解放のため尽力していることを強調した。
リビアでは、独裁体制を長年敷いてきたムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐が2011年に失脚し殺害された後、イスラム国(IS)をはじめとするイスラム過激派組織や民兵組織が外国人労働者や外交官を狙う事件が相次いでいる。(c)AFP