米当局、中小空港における乗客検査の廃止を検討か CNN
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【8月2日 AFP】米CNNは1日、米運輸保安局(TSA)が中小規模の空港での搭乗客に対する検査の廃止を検討していると報じた。テロ対策の専門家からは懸念の声が上がっている。
TSAは2001年9月11日に発生した米同時多発攻撃を受けて創設された組織だが、CNNが当局関係者の話や内部文書を引用して伝えた内容によると、TSAは60席以下の旅客機が就航する150以上の空港における乗客検査の廃止について検討しているという。
ただ、大きな空港へ向かう便を利用する乗客には手荷物の検査などが行われるという。
TSA広報部門の副責任者を務めるマイケル・ビレロ(Michael Bilello)氏はこの報道について、「米政府の管轄下にあるどの空港においても、乗客検査を廃止するという決定はなされていない」とする声明を発表した。
しかし検査廃止を検討しているかどうかについては明言しておらず、「予算編成の一環として、毎年TSAは事業の効率化に関する検討が求められている。今年も例外ではない」と指摘した。
CNNが報じた内部文書の内容によると、中小空港での乗客検査を廃止することで毎年1億1500万ドル(約128億円)を削減でき、リスクがはるかに高いと考えられる大規模な空港の保安強化に充てられるという。
CNNのテロ対策専門家であるポール・クルックシャンク(Paul Cruikshank)氏によると、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」や国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)のような武装勢力は、現在も小型の旅客機を含む航空業界を重要な標的とみなしているという。(c)AFP