【7月29日 AFP】人手不足が経済成長の足かせとなっているポーランドが、フィリピン人労働者の受け入れにかじを切った。ポーランド通信(PAP)によると、同国のスタニスワフ・シュフェト(Stanislaw Szwed)副労働相は28日、労働者受け入れに向けてフィリピン側との協議が順調に進んでいると明らかにし、秋には仮協定を締結したいと語った。

 ポーランドの右派政権は移民受け入れに反対の立場だが、シュフェト氏は、共にカトリック教国であるポーランドとフィリピンは多くの文化的価値観を共有していると強調し、特にIT、医療、建設産業で優秀なフィリピン人労働者を誘致したい考えだと述べた。

 フィリピンは労働力の主要輸出国で、約1000万人のフィリピン人労働者が海外のあらゆる分野で就労している。こうした出稼ぎ労働者らの自国への送金額は数十億ドルに上り、フィリピン経済の要となっている。

 一方、ポーランドは2030年までに労働力人口が400万人不足すると予測されている。その主な要因は欧州連合(EU)域内他国への自国労働者の流出や出生率の低迷だ。

 これまでポーランドは労働力不足の穴埋めを隣国ウクライナからの労働者に依存してきた。既にポーランドは100万人規模のウクライナ人を国内に抱えているが、今後の数年間でさらに30万人増える見通しだ。(c)AFP